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世界的なオピニオンリーダーであるヘレナ・バーグ・ホッジさん という女性の講演会へ行ってきた。テーマは 「ローカリゼーションの胎動~経済グローバル化を超える地元力」というものだった。 彼女は、インド北部、ヒマラヤ辺境のラダックに30年以上前から 通い、かつての廃棄物も汚染もなく、犯罪も事実上存在せず、 地域共同体は健全で結束力が強いラダック社会を通じ、地域・ 地元に残る伝統智を生かした「もう一つの未来ー懐かしい未来」を提唱し続けている。 私たちを取り巻くさまざまなこと、食・農・教育・健康・エネルギー・ 経済・政治・精神性・・・・、これらの問題の根っは実はつながって いて、その根の部分を知り、改善していくことで、状況は大きく 変わっていくのだという。そのあらゆる問題の根深いネガティブ 要因の一つが、世界を混迷へと導きつつある経済グローバル化 であると提起する。そして、そのグローバリゼーションの横行を 打開する鍵は「ローカリゼーション」、つまり地域、地元の力を 高め、風土に根ざした循環型の地域コミュニティを蘇らせることで あると信じ、世界中で啓発活動を行っているのだ。 * * * * * とてもラディカルな講演内容かつ、即実践可能な具体案を たくさん打ち出している点でグイグイ引き込まれていった。 個人的に、屋久島やミクロネシアで見てきた人々の暮し (必要な分だけ作り、採り、食し、出るゴミも自然に還すという、 完全に自立した)にとても感化されていたから尚更だった。 東京に帰ってきてから、無駄なものがあまりに多い暮しに 嫌気がさし、出来るだけ環境を汚さず自分自身にとっても 気持ちのよい暮しを追究したいと考えていた。けれど、 社会がこれじゃあ一人で実践しても追いつくわけがない、 などとネガティブに考えてしまいがちだったのだ。 そんな中、偶然東京のド真ん中でスーパーエコライフを 送っている人と知り合ったのだ。ダイビングショップを経営 する彼女の徹底ぶりは半端じゃなかった。都市ガスを通さず、 屋根には巻いたホースを設置して太陽の熱で水を温めて 熱湯を作りだし、駐車場では野菜を栽培し、生ゴミは全て 腐葉土に、プラゴミは、粉砕して燃料に還元している茅ヶ崎の 方の業者へ車で運んでいる、というのだ。そして、東京都内 は何処へ行くのも自転車!悶々と一人悩む私にとっては驚愕 だった。無理している感もなく、涼しい顔でこなす彼女のその 行動力は、諦めかけてた私に思いがけず一筋の光をもたらし たのだった。 彼女が実践している言葉があるという。それは、 「thinking globaly,active localy.」 知恵は広きに渡って共有し、行動は地元で、地域で、個人で。 ということだろう。私もそれはとても画期的な言葉だと思い、その スローガンを拝借して実践していこうと思った。 * * * * * そんな時だったので、ヘレナさんの講演をこうして聞けたことは、 私にとってこれ以上にないくらいの好機だった。 私が個人ではじめようと考えていたことが、イギリスなどでは 数年前からコミュニティガーデンというネーミングで各所で実践され、 地域単位で徐々に広まりつつあるということだった。夢のように考え ていたことが、何より机上の空論に留まらず実践可能なのだという データが得られ感激した。また、日本でもイギリスほどしっかりした ものではないけれど、地域貨幣などが作られ地元の商店街を活性化 したり、手作りバイオガスプラントや太陽熱温水器を導入し、100% 資源循環を目指したり、共有の生ゴミ処理機を導入する地域もある と聞いた。それが自治体とのコラボ、そして政府とのコラボへ発展して いくことを願いたい。 貨幣価値は人口的なものであるから、政策が変わればそれに伴 なって変わっていくだろう。自由貿易の横行に歯止めをかけ、土地 のものを地域で循環するようにすれば、新鮮で安全なものがより 安価で手に入るようになる。そして輸送費や燃料の無駄がなくなり、 大量生産による環境に有害な技術も必要なくなり、環境に優しく健康 でお金のかからない経済が生まれることだろう。 ● ● ● ● ● そんな、「懐かしい未来」へのステップを一緒に考えて みませんか?7月10日にもへレナさんの講演会があり ます。明治学院大学白金キャンパスにて、19時~21時。 「懐かしい未来とスピリチュアリティ~本当の学びと幸福とは」 詳しくはコチラまで↓ http://julayladakh.org/helena2007.htm 関連の映画際も本日あるそうです。(行けなくて残念!) 「東京平和映画祭」7作品上映、10時~21時までの長丁場で29歳以下2500円、29歳以上3500円。国立オリンピック記念青少年総合センターにて。ヘレナさんの「懐かしい未来ーラダックから学ぶこと」も上映されるし、その他のドキュメンタリーもどれも興味深く、 かなり充実した内容です。詳しい上映作品などはコチラまで↓ http://peacefilm.net/ ● ● ● ● ● 以下に、7日の講演内容を大まかにまとめてみました 興味ある方は是非♪ なぜグローバリゼーションが問題なのか、、 それは自由貿易によって、大量の輸送費や燃料を無駄にすると 同時に大量生産のためのより大きな漁船、大きなネット、大きな エネルギーを使った有害な新技術による環境破壊、加工工場などの 工業用水による環境汚染、そして独占市場から抜け落ちた第三世界 の貧困など、様々な悪しき問題を引き起こしているから。 また、規制緩和によって、より遠い国への大量輸出がはじまった ことで、製品がどのような人々によって、どのような状況下で作られ たのかより見えづらくなり、食品などの安全性も不透明になってきて いる。にもかかわらず、グローバル化した中で欧米化したモノ カルチャーが横行し、地元のものだけでは不充分だという考えが 芽生えてしまっている。人々はブランド化された欧米のものを手に することで、本来なかった結合感を得るようになってしまった。 そのため、従来は必要最低限の土地のものを享受して成立していた 社会から、同じような種の製品を大量に輸入し輸出するというような、 無駄な経済が誕生してしまったのだ。 まず政府が大企業に引っ張られているという図式が一つの問題だ。 助成金が一部の企業に集中することで、多くの貧困や失業を生み出 すとともに、人々はより少ない資源を、少ない仕事を求めて競争 する。そうすることで豊かさを手に出来るという幻想に溺れ、その 悪しきサイクルから抜け出せなくなっているのだ。 ピークオイルという言葉がメディアで当たり前のように取り上げられる ようになったが、枯渇してから路頭に迷うようじゃ手遅れなのだ。 元々石油は便利さの追究の過程で用いられたもので、石油がなくとも 充分に平和で豊かな社会が存在していたのだ。今、徐々に大きな 経済から小さな経済へシフトするべき時がきている。 そこで、具体的にローカリゼーションへの実践とは、、 ①食と農 なるべく地元で生産されるものを地元で持ち寄って食す。 輸送費削減&新鮮で安全なものを食べることで健康にもよい。 ②エネルギー 中央に集約されている資源を地方分散型にシフトする。 地域での太陽エネルギー活用や貯水タンク、ゴミ処理場の導入など。 ③経済&貨幣 貿易のための貿易をやめ、貿易規制を打ち出す。 大きな企業から小さな企業へ。 ↑企業を特定の場所に定め、国の中でコントロールできる レベルにし、その上で必要に応じて国家間で取引をする。 企業が合併することで失業者が増えるので、逆に小さく小さく 細分化していくのがよい。←その方が目的を見失いずらい ④個人 このような地域に根付いたローカリゼーションが主流になれば、 地元の文化や環境に対する感謝や尊敬の念が取り戻される。 また、コミュニティーが再構築されることで、助け合いの精神や 心の健全さが取り戻される。生きる喜びを取り戻していくことが、 鬱や自殺などの精神的問題への解決にもつながる。 ※このようなローカリゼーションを浸透させていくには、、 グローバリゼーションからローカリゼーションへシフトすることで、 失業したり今より貧しくなるという錯覚を取り除くこと。 ↓ 経済リテラシーを高めること。 テレビや新聞では得られない真実があるということを意識する。 代替となる別の情報源から積極的に学んでいくリテラシー教育を 促す。 ↓ 自然と人の両方に良いということを明確に打ち出していけば グローバリゼーションの幻想から抜け出すことにつながる。 * * * * * 最後に私個人の見解は、様々な神話を壊すことが今の私たちに 求められていることなのだと強く感じた。私たちは、人口が増え 過ぎたことがいけないとか、人間の欲は際限ないから、その欲望の 上に成り立つ社会は避けられないなどと、まるで自明のことのように 恐れや罪悪感から逃れられない状況にある。 けれども、実はその現実は、マスメディアによって繰り返される 報道、記述、そして権力者の発言によって作り出された幻想なので はないだろうか。大切なのは、生来の人間の性質ではなく、何かに 覆い尽くされて見ることが出来ない、真実を知ることができないという 今の状況が、破壊的な現実を作り出しているということを知るべきで はないだろうか。 私たちは、もっとボジティブなビジョンを持つことができるのだ。 そしてそのビジョンが、より良い現実を作り出していくのだと、 信じている。
by neuborder
| 2007-07-07 08:52
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