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これは見逃すまい!と思い、巣穴から飛び出して展覧会に駆けつけた。
姉御友人の山福朱実ちゃんが企画した、アキノイサム展@ポレポレ坐。 60、70年代世界を放浪し、80年代には沖縄の海を歩いた秋野仙人。インドや チベット・ヒマラヤの世界から、カナダの原住民文化やポリネシアン文化、南米の シャーマニズム世界に至るまで、その膨大な観察と幻想のリアリティたるや、、 一言では言い表わすことのできない存在の確かさを感じた。 ヨーロッパ、アメリカのキリスト教的文明の世界観や人間観を離れ、アニミズム的 実存世界に身を投じた秋野仙人が、歩き、寝転がり、躍動し、感じてきた大地や 空が、そこに生きる人々や動物たちが、まるでそのまま此処に生きているようなのだ。 細胞ひとつひとつがムクムク動き出すような、シュワシュワシュワっと身体の中で 何かが弾けるような体感に驚いた。そして、この絵の中を歩くイサムさんの姿が見える ようで、何だか無性に嬉しくてニンマリしっぱなしだった。 私がポレポレ坐に着いた時、たまたま会場で居合わせたというイサムさんと スズキコージさんと友人さっちゃんが談笑していたので、コージさんにイサムさんを 紹介していただいた。「お兄ちゃん、彼女たちね、雌ライオン。」「・・・はあ?」 あ、しし座ってことか、ああびっくりした。しかし、恐るべしコージさんの記憶力! そして、初めましてと挨拶を交わしたのだけど、実は7年ほど前、中野のカルマで 一度だけお目にかかったことがあった。大勢いたのでお話はしなかったのだけど、 その絵本から飛び出したような仙人風の風貌が印象的でとても気になった。 後で朱ちゃんから、素晴らしい画家で日本を代表する女流画家、秋野不矩の ご子息だと聞いた。あれれ?秋野不矩さんといえば、私の叔母が60歳で結婚した 方が秋野不矩さんの息子だと聞いていた。つまりイサムさんの弟。ということは、 イサムさんとは無血縁親戚ということになるのかな?本人に確認してみた。 すると、「はて、いつの時代のどの弟のことだろう?」、と。 わっはっは。「ま、どうでもいいですね、そんなことは。」と、大笑い。 まったくの愚問でした。世界のあらゆる場所でどこでもない場所の住人である 秋野仙人には、世界中に肌の色も話す言語も異なる愛する無欠縁親戚がたくさん いるのだろうなあ。 「世界は広いんですよ。だから、長い時間をかけて、ようやく、やっと、一回りしました。 ぼくは遊牧民なんです。」と、とても無邪気な笑顔を浮かべて静かに、訥々と 秋野仙人は語った。 コージさんは、とても衝撃的だったイサムさんとの最初の出会いを話してくれた。 40年も前のこと、当時二十歳のコージさんが友人と新宿を歩いていたら、友人が 突然、「秋野亥左牟だ!」と叫んだそう。その友人の視線の先には、ボロボロの チベット衣装を身にまとった、とても日本人とは思えない精悍なチベット人さながらの 男が、風呂敷を担いで歩いていた。圧倒的な存在感だったと。イサムさんは、当時 (現在もだが)中国侵略下のチベットで、タンカ(仏画)を持って逃げてくれ!と チベット僧に頼まれ、背中に150枚ものタンカや仏舎利を担いでヒマラヤを越えたそうです。 二十歳のスズキコージズキンがアキノイサムと出会ったその時の状況を思ったら、 ぶわーっと鳥肌が立った。イサムさんを慕って「お兄ちゃん」と呼ぶコージさんの目には、 きっと当時の光景が鮮明に焼きついているのだろうなあ。 * ↑この記述ですが、もっと詳しい話を知りたくて、後日ポレポレ坐に 行って、アキノイサムさんの半生記「イサムオンザロード」に目を通したら、 色んな誤解があったことに気がついたので訂正します。 断片的な会話の中での私の勘違いや主観から、ちょっと違う話になっていました。 イサムさんはチベットからヒマラヤを越えてタンカ(仏画)を運んだのではありませんでした。 ネパールに住んでいた時の隣人がヒマラヤを越えて逃げてきたチベット難民で、 彼らに頼まれ、ネパール・インド国内に散り散りになった貴重なタンカや仏舎利などを集め、 埋もれて消えてしまう前に日本国内に持ち出し、博物館やお寺に届けたそうです。 しかし、当時コミュニスト運動が盛んだった日本では中国共産党のプロパガンダの影響もあり、 チベット仏教は野蛮なものとされていたようです。その為、貴重な文化財である150枚もの タンカや仏舎利は一部を除き、ほとんど見向きもされなかったそうです。そこで、知人の助けを 借りて、それらを担いで今度はアメリカへと渡った、といういきさつでした。 * 以下、元の日記内容に戻る↓ イサムさんが八重山の小浜島に拠点を持ち、他の島々を渡り歩いていた時の 話も聞かせていただいた。私も沖縄の離島は色々周り、島の地形や特色なんかも わかるので、臨場感のあるお話を半ばはしゃぎながら聞いていた。 絵を描く以外は魚を突いていたというイサムさんは、中でもタコ取りの名人?だったとか。 岩陰やサンゴの下で眠るタコの脇の下を銛でこちょこちょやるそうです。で、怯んだ隙に、 一本ずつ腕(足じゃないみたいです)を引っ張って引きずり出し、タコと目が合ったところで 目と目の間を直撃。マタギと一緒で真ん中に命中させて仕留めるそうだけど、大抵少しずれて、 右脳に刺さると右半身が、左脳に刺さると左半身が真っ白になるそうです。おもしろい~。 先日、喜界島で「タコ取ったどー。」という漁師のおっちゃんから腕を一本引きちぎって もらってかぶりつきました。腕だけなのにしばらく動いててトカゲのしっぽみたいって思った。 食べても食べても、しばらくは生きていた。真っ白になるのは、脳からの指令で 「やられたー!」って認識した時だけなのかな? で、気になって調べたら、知らなかったことが色々あった。タコの腕は、天敵などに 食いちぎられても再び生えてくるみたいですね。二股に分かれて生えることもあり、 96本の腕を持つ蛸が発見されたこともあるそうな。何回ちぎられたことか! ただし、ストレスで自分の腕を食べてしまうこともあって、その腕に関しては 再生しないそうです。ひょえー。 しかも、丸い大きいところは胴体で、腕の付け根が頭みたいですね。頭から腕が ニョキニョキ生えてるというわけです。個性的! あ、タコの話になってる(笑 世界を放浪した秋野仙人の話に引き込まれる中で、海中生物の不思議に思いを 馳せてみました。短い時間だったけれど、神話の語り部から物語を聞いているみたいで、 ワクワクするようなひと時でした。 展示は日曜日までなので、明日もう一度行ってしまうかもしれない。 * そうだ、クストリッツァの新作「マラドーナ」がいよいよ年内に公開されます。 http://www.maradonafilm.com/ 試写会に行ってきたばかりだというコージさん&いくちゃんが、興奮気味に話してくれました。 「ドキュメントだか何だかよくわからないけど、とにかく脳天にグワーッときて泣けた。」 だそうです。「マラドーナとカストロがブッシュの悪口を言うシーンは痛快!」 「ラストにManu Chaoが、至近距離で凝視するマラドーナの前で歌うシーンは必見!」 なのだとか。よくわからないけど、今からアドレナリン沸々の待ちきれない状態になった。 兄がマラドーナ狂サッカー少年だった神の手世代の私にとって、鬼才クストリッツァの描く マラドーナ映画は本当に楽しみだったのだけど、益々、ああ待ち遠しい。 と、鼻息荒くしていたら、関口義人さんからこんな案内が届き、またまた血が騒いでます。 ゴラン・ブレコヴィッチ~! クストリッツァと大喧嘩して決別している彼ですが、大好きです。映画「ジプシーのとき」の サントラは不朽の名作です。身体がもう一個あったら駆けつけたい。でも一個しかないから どうしよ~。あうー、快楽主義の自分にまいっちんぐ(←古っ!) ==================== 「音楽夜噺」はスタートからまる4年を経過しました。 今回は2年半ぶりにぼく自身が論者になります。 CDなども準備していますのでぜひご参加下さい。 予約本メールへの返信で受け付けます。お名前に人数も添えてお願いします。 会場の広さに限りがありますので早めの予約をおすすめ致します。 **** 第41夜:'09年10月24日(土) 『アンダーグラウンド』から『アルコール』まで ~バルカンの寵児、ゴラン・ブレゴビッチの描いた世界 論 者:関口義人 (『音楽夜噺』主宰) 聞き手:松山晋也 (音楽評論家) 会 場:東京・渋谷 ダイニングバー Li-Po 時 間:18:00-20:15(開場17:30) ※普段と時間が異なります。ご注意下さい。 予約:\2,000 当日:\2,500 激動の20世紀をヨーロッパの裏庭”バルカン”から見つめつつ濃厚で毒気を帯びた 音楽によって現実と幻想のバルカンを表現してきた才人ゴラン・ブレゴビッチ。 ロックのカリスマとしてのその初期の活動からクストリッツァ監督との一連の映画音楽、 そして汎バルカン的な広がりを感じさせる多様なミュージシャンたちとのコラボレーション。 ユーゴスラヴィアの民族的背景とジプシーブラスを取り入れ、大胆に繊細に描き出される ブレゴビッチの世界を余す所なくお話ししたいと思います。 当日ご来場の方に当日限定の「ゴラン・ブレゴビッチ編集盤」をプレゼントします。 このディスクには当日論者が選曲した曲が収められます。 ****
by neuborder
| 2009-10-17 04:36
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